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NPO法人 神奈川県自然保護協会
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県内自然観察・視察報告

丹沢大山総合調査の現場に学ぶ
開催日 2005年10月15日(土)
午前中は、環境科学センター原田副所長、武田、相原研究員の案内で、犬越路林道を行きトンネル脇に設置された西丹沢酸性雨測定所を見学しました。

参加者の原田理事撮影

ここでは1995(H7)年から窒素酸化物、二酸化硫黄、オキシダントを継続して測定しています。
(当初は環境庁、1997から環境科学センター)
また2002(H14)年からはオキシダントがブナの成長に与える影響を、オープントップチャンバー(OTC)という装置を使って調べています。

オキシダントとは、大気中の窒素酸化物と炭化水素から光化学反応で生成される酸化性物質の総称でオゾンが95%以上を占めるもので、光化学スモッグの原因物質のことです。
東京湾岸の工業地域から排出されたものが海陸風の影響で丹沢山中に流れてくることが分かっています。
都市部では皮肉にも自動車等から排出される一酸化窒素によって分解されるのに対して、山岳部では分解される割合が少ないことから、都市域より高い濃度で観測されているとのことです。

観測値データ図表
二酸化窒素桟測値
二酸化硫黄観測値
オキシダント監査奥値
オープンチャンバー構造図
オープントップチャンバー機構図
オープントップチャンバー断面図
(上記図表は、当日配付資料の「丹沢山地におけるブナ林衰退に対するオゾンの影響に関する研究 神奈川県環境科学センター 武田麻由子 相原啓次」より引用。)
環境化学センターでは、オキシダント、つまりオゾンがブナの成長に及ぼす影響を調べています。
OTCは上の図のような装置で、2つをペアーとして一つは自然の空気、もう一つはフィルターを付けて浄化した空気が流れ込むようにしてあります。

この装置の中に植えたブナの苗は、一年目は変化が見られませんでしたが、2年目になると夏以降葉緑素の含量で差が現れ、自然の空気の下では落葉も早く始まり明らかな差が出たといいます。
現実にここの大気にさらされたブナは元気がなく、参加者は丹沢のブナ枯れと大気汚染の関係を明らかにした画期的な実験の現場を目の当たりにして問題の深さに衝撃を受けました。

午後は、林野庁関東森林管理局東京神奈川森林管理署長片岡辰幸氏外の案内で、玄倉国有林の熊木沢での治山事業地を見学しました。
西丹沢は、元々石英閃緑岩の崩れやすい地質ですが、1972(昭和47)年の集中豪雨によって大きな被害が出ました。
その復旧工事や、最近はシカの採食圧による林床の荒廃に対応して植生保護柵の設置もしていると言うことでした。

また、丹沢地区の国有林は地森林生物遺伝資源保存林などとして木材生産は行っていないとのことでした。

熊木沢の広い河原から、蛭ヶ岳が間近かに見え、頂上のブナの衰退が痛々しく見えました。

今回の視察に当たって、多忙な中現地の案内や資料の提供を頂いた、神奈川県環境科学センター、関東森林管理局東京神奈川森林管理署、神奈川県自然環境保全センターの皆様に感謝いたします。


Copyright (c) 2005 The Nature Consevation Society of Kanagawa