| NPO法人 神奈川県自然保護協会 |
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観察会報告
「神奈川の地形と地質観察会」
〜神奈川の活断層を松田に求めて(速報)〜
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神奈川には全国的に見ても非常に活発な地殻変動が見られる場所があります。
松田山周辺。
今なお続く地殻変動を、当会理事で奈川県立生命の星・地球博物館名誉館員でもある松島氏の解説で訪ねてきました。 |
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普段何気なく見ている風景も、ちょっと専門的な眼をもってみると実に興味深い風景であったりします。
そんな眼をもつ当会理事の解説付き観察会。
今回は松田町に隠された地球の活動の歴史をじっくりと観てまいりました。 |
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| 松田山から観てみれば |
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まず訪れたのは松田山。
この山は南から押し寄せるプレートの力により押し上げられた山です。
この山の頂上付近から松田市街や箱根、富士を眺めながらこの地に起きている地球の動きを観ることが目的です。
あいにくこの日は曇り空。予定していた眺望は望めませんでしたが、講師の詳しい説明を聞くうちにあたかも目の前で地面が動いている感じがしてきます。
実際には100万年規模のものなのですが、その間に川の流れを変える事件があったり、火山が何度も爆発したりと、実にダイナミックに活動を続けていることがわかりました。
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| 蘇我の梅林 |
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次に向かったのは蘇我の梅林。
幸いウメの時期は終わりに近く、殺人的な渋滞には巻き込まれずにすみました。とても幸運なことでした。
さて、今は梅林が拡がる下曽我地区も、すぐ脇に連なる山へ向かって地面が潜り込んでいるまさに活断層の上にいるというのですからびっくりです。
今回は事前にお願いした東光院の駐車場にマイクロバスを置かせていただき、梅林の下で起こった物語を聞きました。
快く駐車場をお貸しくださった東光院に感謝いたします。
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| 地層に隠された自然 |
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講師は地質調査の折りに実際にトレンチャー(地面の溝切り機械)で地層を調べたので、その際の話を交え地面の下の物語を詳しくかつ解りやすく説明しました。地層を露出させていた時期もあったそうですが、多くの人がその地層目当てで畑に入ってしまうことに加え、「活断層の上にある」ということで、不動産評価に影響が出るために埋め戻したというエピソードも聞くことも出来ました。ある人にはとても素晴らしいモノでも、それに苦慮する側の人もいると言うことを改めて認識した話でした。自然保護はこういったネタにいつもぶつかるものです。
さて、この地も箱根や富士といった火山活動の影響があるわけです。活断層の上をこういった火山活動の産物、現在での赤土が覆っています。地殻の変動は今も続いているわけで、地殻変動により隆起した場所、その反動で沈下した場所が現在の地形になっていることを改めて知る事ができました。自分たちの立っている土は非常に軟らかいものであることを知ると、なんだか急に土がブヨブヨに感じられたのは私だけでしたでしょうか・・
こちらでも実際に活断層を観ることはできませんでしたが、とても充実した観察を楽しめました。
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| 開発からかろうじて残された地殻活動の証人を訪ねて |
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次に向かったのは最近大規模住宅開発で無くなる運命にあった小田原市小舟地区へ向かいました。

この観察ポイントは地権者の方が「お稲荷さんの山は壊させない」と開発から守ってくれた場所です。今ではお稲荷さんに続く階段と急斜地対策のコンクリート擁壁の間にほんのすこしだけ露頭が残されています。
この地の話題はここが水際であったこと。河が海に流れ着くまさにその場所であったのです。つまり海抜0mが今は上昇した訳です。
なお、この場所は水際といっても淡水系の水際だそうで、淡水系の貝殻が見つかります。また、ヒシ(菱)の実が入っている土の固まりを見つけることもでき、太古の風景が目の前に蘇るようです。
なお、ここの地層には桜島火山の灰の層があるそうです。ガラス質のきらきらとしたとても細かい(シルトと言います)土が印象的でした。

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| 開発でわかった昔の様子 |
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次の場所はテクノパーク、つまり工業団地のまっただ中。
なぜにこんなところに・・
とつい思ってしまうような殺風景な場所です。
現在はこういった大規模開発の際に重要な資料が見つかるという事例が多くなっているようです。
この場所は縄文時代の貝塚なのですが、それだけにとどまらず木製の櫂や漆塗りの木器などが出土しています。
ここの貝塚でみられるのはヤマトシジミを代表とする淡水産の貝です。つまりここは沼地であったことが解ります。
ちなみに大きな貝塚はここより約8km東にいった湘南平があります。こちらの貝塚から出てくる貝はハマグリ等海産のものです。また、この湘南平からさらに約8km東に茅ヶ崎市下寺尾の西方貝塚があります。この貝塚は淡水産のヤマトシジミが出ています。同じ距離を移動しただけで海辺や沼地といった環境がかわっていたということを貝塚の貝が教えてくれています。
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| 湘南平で終点 |
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最後の地点は湘南平。
ここは標高が高い上に展望台があるので、周りの様子がよくわかります。
相模川を中心とした地表変動がよくわかります。
先ほど廻った観察点の方向を向くと時間の関係で行けなかった二宮の吾妻山も見えます。
ここでの話題でびっくりしたのはなんと言っても相模川の流れ。
川はどんどんその場所を変えてゆくものですが、相模川はその昔(と言っても地質学的に言う時は1万年単位があたりまえなので、時間的スケールがなかなかイメージできませんが・・)東にある引地川の場所を流れていたそうです。そしてその前は境川の位置を流れていて、その前はなんと鶴見川の場所を流れていたのだそうです!
実にダイナミックに流れを変えているのです。
こういった事はやはり専門家に聞かなければ知ることの出来ないことです。
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私たち神奈川県自然保護協会は今回の地質観察会を初めとして専門家が役員としていることを最大限利用し、専門家の解説付き観察会を開いています。普段何気なく見ている風景も見方によってはまるで違う世界が拡がります。
また、観察会の特徴として、マイクロバスで廻る観察会を企画しています。電車や路線バス等では廻りきれない観察ポイントを講師の説明を聞きながら廻る実に贅沢な観察会です。ちなみに運転手も当会の役員がやっています。つまり運転手だって講師なのです。どんな内容が専門かは直接話しかけて確かめてください。
これからもいろいろ企画します。是非ご参加ください。
ちなみに今回の地質観察会の記録はより詳しく正確にそして読みやすく編集し、皆さんが観察される際のガイドとして利用できるように整備する予定です。ご期待ください。
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